社会に幸せにつながるモノづくりを目指して
家業を継いで「シクラメン」と向き合う

  • 2023年12月10日

昔から花などの花卉栽培の盛んな萩 福栄地区。その中でも、同地区のシクラメンは山口県内でも有名で、「福栄といえばシクラメン」といわれるほどの産地となっています。

地域では、シクラメンを中心としたお祭りも開かれ、シクラメンの販売が最盛期を迎えると多くの人たちが咲き誇るシクラメンを買い求めるために、地域を訪れます。

小さなころから思い描いていた「今」

―栽培をはじめたきっかけ

父親が48 年前に花の生産事業を始め、私が2 代目後継者になります。両親からは自分の人生なので自由にしていいと言われてきましたが、小学生の時からずっと心の中にはいずれ後継者になるんだろうなとの意識もありました。前職の商社で営業をしていた際にメーカのモノ造りの凄まじさに触れ、自分もいつかは社会から求められる特異性のある商品をつくりたいと思い立ちました。そこで、小さいころから思い描いていた家業を継ぐことが最良であると考えました。

日々の成長に向き合うこと

―日々の成長に向き合うこと

最近は夏の暑さをどう乗り越えるかが重要で、かなり苦労をしてます。シクラメンの種まきが前年12月、鉢への植え付けが5月頃になりますが、それからの真夏の管理が重要になります。土に水分が多すぎると土の温度が上がってしまい根が傷んだり、病気のリスクもありますので、シクラメン用に配合した排水性のよい土を使うなど工夫してます。また、遮光カーテンを使って光の量を調整したり、潅水は朝早くやるなどの工夫が必要となります。

生活の中にシクラメンを

―買い求めやすい商品づくり

全て種から育てており生産コストを抑えることができていますので、お買い求めしやすいシクラメンかなと思います。また、昔はサイズが大きく高額なシクラメンも作っていましたが、時代の主流がコンパクトで手に取りやすい価格のものとなっているので、最もサイズの小さい4号鉢(12cm)のものをたくさん作っています。

―だきるだけ長い間楽しんでいただくために

光があたる室内での管理が必要です(大体10度くらいがベスト)。寒暖差があると花の持ちが悪いので、暖房が効かない部屋であることも大切かなと思います。水は下皿の水が無くなったらその都度入れていただくだけなので簡単です。根が水を吸わなくなったら上から水をかけて良いですが、株が蒸れてしまうとカビが出てしまうので、気を付けて水をやるようにしてください。肥料は液体肥料を水でよく薄めてやるといいと思います。根が詰まっていたり、根が茶色く痛んで元気が無い場合は一回り大きな鉢に植え替えてあげるのもいいです。花が終わったら茎の根本から引っこ抜いてあげると、種を作るエネルギーを成育の方に回せるのでいいかと思います。

完璧を目指して挑戦は続く

―技術を磨く日々

あんの園芸では花の苗を主に作っておりますが、毎年3000鉢ほどシクラメンの鉢も生産をしております。まだまだ技術は完成しておらず毎年試行錯誤を重ねながらより良いものを作るように心がけております。完璧なシクラメンを皆さまにお届けできるようこれからも頑張ってまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします!